* 2006年度PORT賞は授賞対象がありませんでした。(2006年12月)
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局所クリーン環境下の生産ライン」 長野計器株式会社殿、日本電産サンキョー株式会社殿
本技術は、クリーンルームと称される高精密な生産ラインの作業室全体をクリーン環境下におくことなく、製造に必要な製造、搬送部分だけを、局所的にクリーン環境とし、発塵の大本である人を完全に排除し、作業員の労働環境を改善し、省エネルギー、省スペース、経費節減を達成したものである。本技術は簡明技術の精神に合致し、典型の一つと考えて表彰します。
「ボトル内液体物検査装置」 東京ガス株式会社殿
本技術はペットボトル、アルミ缶等の内容物の可燃性を、容器のまま、簡単な装置に載せるだけで、数秒内に判定出来るもので、航空機は勿論、不特定多数の出入りする集会場などでの不測のテロ等の予防にも役立つ、極めて簡単明瞭な技術です。 実際、すでに国内空港等にも本装置が200基強導入され、効果を評価されていますので、ポート賞に相応しい技術として顕彰します。
「全面床吹き出し空調システム」 清水建設株式会社殿
全面床吹き出し空調システムは、ダクトや吹き出し口が無く、空調機とタイルカーペット及びOA用二重床からなるシンプルな構成です。タイルカーペットに通気性を持たせて床全面から空調空気を給気するため、有害物質を含む室内空気を攪拌せずに、快適な高品質の空調空間を提供します。全面方式故に吹き出し風速が低速で済むため、静かで不愉快なドラフトを感じません。また、開閉機構付きのパーソナル吹き出し口を設置して、個人単位で足元を制御できるため、健康に優しく利便性に優れた省エネルギー方式のシステムです。ハード的には、デザイン性に優れ、レイアウトの変更が容易です。健康と快適さ及び地球環境の重要性が強まっている昨今、本システムの実績が増加しており、社会からも認知と評価がされつつあります。本システムは簡明技術の模範的な実例であり、今後の一層の発展と需要を期待して表彰します。
ソルパック工法 名古屋工業大学 松岡 元 殿
ソルとは、フランス語で『土』のこと、平たく言えばソルパックとは「土のう」である。ただ、「土のう」のメカニズム -バラバラの土粒子を包むことで土を拘束補強する- を高次に進化させ、災害時の副次的資材から、まったく新しい材料・システムとして、蘇えらせたのが『ソルパック』、『ソルパック工法』である。 本材料は、驚異的な耐荷力20-40t/個を有し、同時に地盤に対し高い支持力を期待できるため、軟弱地盤や噴泥現象を示す地盤での高荷重建設現場にも適用可能である。既に、住宅の基礎として、恒久材料としての実績を持つほか、三宅島災害復興では現地の火山堆積物を材料とした土のう積み擁壁も本設され、安価・簡便・長寿命(日光-紫外線-を遮断すれば)・高環境親和性材料として高く評価できる。 また、本システムが、振動低減効果や免震効果を有することも明らかにされており、道路基盤材や建物基盤材などの新用途の開発も期待される。 このように、本技術は従来の建設・土木材料に、新風を吹き込むものであり、国際的に見れば、途上国援助の日本発新技術誕生とも言え、まさに、テクノデモクラシーの典型的な実践例といえる。
東海道新幹線の全線に亘って敷設された電車に動力となる電源を供給する『トロリ線』は、資料によれば上下併せて1日に約300本の列車が、最大速度270km/hのスピードで通過し、列車のパンタグラフによって毎日その身を減らしている。鉄道の生命線とも言うべき架線がすり減り、破断して架線故障が生じた場合には、大量輸送の大動脈がストップし、日本経済に与える損失は計り知れないものになることは言うまでもない。 このトロリ線の維持管理のための摩耗検知を担っている技術が警報トロリ線であって、今回のPORT賞の受賞となった、『東海旅客鉄道株式会社』殿と『日立電線株式会社』殿が開発されたものである。 警報トロリ線の技術は、原理が非常に簡単であって、トロリ線に内蔵された2本の被覆された検知線が、パンタグラフによる摩耗が進むと被覆が破れ、導線がトロリ線と短絡したり、検知線が擦り切れて断線することにより電流変化が生じ、トロリ線の破断などの障害の発生前に検知できるシステムである。直径約1.5cmの銅線を製造する時に2本の細い検知線を「かしめる」ことにより、摩耗検知する部位に内蔵せしめ、毎日き電停止後に検知装置に内蔵された
タイマーにより一定区間毎に検知が自動的に行われ、自己診断されるものである。 人々への『安全/安心』が使命である高速鉄道システムにおいて、『警報トロリ線』の技術はその信頼への重要な担い手であるとともに東海道新幹線のみならず世界の鉄道に広く展開できる技術であると言える。
第6回PORT賞授賞式(2004年12月21日)
第5回PORT賞受賞者(2003年12月)
ヘリコバクターピロリ菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因菌とされているが、 その有無は従来胃壁の組織採取など患者負担の大きい診断法によって確認されていた。本技術は液化天然ガス(LNG)中の微量13Cを濃縮し、それから誘導した「13C尿素」の服用によって簡単な呼気テストのみでピロリ菌を検出することに成功したものである。即ち被験者が13C尿素を服用すると、ピロリ菌に感染した胃の中では13C二酸化炭素が発生し呼気中に吐き出されてくるから、それを赤外分光装置で容易に検出し得るのである。陽性の患者はピロリ菌の除菌治療により胃潰瘍などを避けることが出来る。本技術は既に多くの病院で実施されてをり簡明技術の典型の一つと思われる。
カーボンマイクロコイルの研究開発 岐阜大学 元島栖二氏
カーボンマイクロコイル(CMC)はコイル径がミクロンオーダーの3D‐ヘリカル/螺旋という特異な構造を持ち既存材料にはない多機能で多用途性を持つ未来型の炭素系新素材である。CMCはアセチレンを原料に合成され、ほぼ100%炭素から構成される簡明な炭素材であるにもかかわらず、その用途はエネルギー変換材、ガス吸蔵材、マイクロセンサー、マイクロアンテナ、生物活性素子等の幅広い分野への活用が検討されている。既に、GHz広帯域にわたり電磁波吸収特性を持つ電波吸収材、コラーゲンの生成を促進する化粧品として商品化されている。CMCは高機能性素材として、きわめて幅広い産業分野で利用可能であり、簡明技術の開発・発展に多大な貢献が期待できる新素材である。
第5回PORT賞授賞式2003年12月19日)
第4回PORT賞受賞者(2002年12月)
スーパースロッシングダンパー 株式会社 清水建設殿
最も普遍的で何処でも容易に手に入る水を扁平な容器の中に入れて、水がゆれる時(スロッシング)に発生する力を利用するという、構造的にも非常にシンプルな制振装置である。この装置のために新たに開発されたアルミニウム製の容器は、プレス加工で製作された経済性の非常に高いものであり、機械的な付帯設備も無いため、屋上、屋外の空いたスペースに分散して設置することが可能であることなど、建物の形状、設置環境にフレキシブルに対応することができるという特長を有する。さらに、機械系の制御も無い上に、使用する液体も通常の水であり、水深調整も必要無いという、メンテナンスフリーを実現した。その原理・動作機構は単純明快で、経済性にも優れ、高い効果と安全性を有するという、簡明技術推進機構の推奨する簡明技術の典型である。
ポーラス塗装 長岡技術科学大学 丸山暉彦氏
舗装表面は水の浸透を許すべきではないという考えから、従来のアスファルト舗装は砕石、砂、鉱物質微粉末等の蜜粒度混合物が用いられてきた。しかしながら、地下水の保全、街路樹の育成には透水性が必要である。そのために、大部分が大きな砕石で構成され、強度を増大させるためにポリマーを混入した高粘度アスファルトによるポーラス舗装が開発された。本舗装を行った結果、街路樹の育成や都市型洪水の防止効果だけでなく、雨天走行時の水はね防止、雨天時の道路白線の視認性向上、雨天時のスリップ防止など、交通事故が激減する結果となった。さらに、自動車の高速走行時に路面とタイヤの接触による騒音が大きく低減し、通常の舗装に較べて騒音が3〜6デシベル減少するという効果も得られた。街路樹と地下水の保全、人命の保守、騒音公害の低減を一挙に実現する技術である。
「市民のための環境学ガイド」 安井至氏
1997年6月にスタートしたホームページ「市民のための環境学ガイド」は、環境科学に関わる知識・科学・常識を市民レベルに普及することを目的にしている。創設者の安井至氏は、市民が正しく環境問題の本質を理解することが環境問題を解決する唯一の道との認識から、個人でホームページを作成公開し、時宜に即した情報を提供し続け、市民から多くの反響が寄せられている。その努力は卓越しており、2002年7月の時点でアクセス数が100万件を越え、その後も月6〜7万件のアクセスが続いている。その結果、新聞、テレビなどマスメディアの科学・常識から外れた報道に惑わされることなく、地球や生物種の持続性に本質的に関わる問題を認識する市民が増えているだけでなく、市民との意見交換も活発化し、テクノデモクラシーの典型的な実践事例である。
第4回 PORT賞授賞式( 2002年12月21日)
第3回PORT賞受賞者(2001年12月)
耐水
性タタキ フットパース 河合石灰工業株式会社殿
本舗装を構成する材料は、基本的に現地にある土である。それに多少の土質安定剤、多孔質骨材を加えるという極めて単純でありながら、透水性および保水機能を有し、さらに、温度調整,衝撃吸収、雑草抑制機能などにも優れている。タタキや漆喰などの伝統技術をベースに廃棄物の利用、施工後に再掘削した場合にも再利用可能など、資源の有効利用、環境に与える負荷の低減にも大きな効用を得ることができる。施工場所は、主としてグランド、公園、遊歩道など、市民が利用し憩うところであり、材質が土であることから歩行・走行時に足の負担が軽く、保水機能により表面温度が上がらず、身体に快適であると同時にヒートアイランド現象の緩和にもなる。技術の簡明性、環境への配慮、高い市民性という誠に有意義な舗装法である。
超越紙 株式会社飾一
殿
日常生活の中で最も身近な材料である紙は、長い伝統をもち、特に日本人は木と紙の文化に長年親しんできた。天然素材の草や木を加工してつくられる紙は無公害かつ再生可能という特徴をもちながら、水に弱く破れ易いという欠点がある。本技術は紙の上にガラスの薄膜をコーティングして、紙の使い勝手の良さを保ちながらガラスの特性である、耐久性、撥水性、防汚性、難燃性、耐磨耗性などを付加することにより、インテリア、工業製品、建材など多方面への応用が可能となった。ガラスは非常に薄いために紙として再生が可能であり、廃棄しても紙とガラスに分離して,自然に分解してしまう。従来の紙の利便性に様々な新しい効果や機能が加わることにより、紙の良さを損なわずに用途が拡大する上に、環境に与える負荷も少ないという優れた技術である。

第3回PORT賞授賞式(2001年12月21日)
技術ジャーナリスト・武末高裕氏(先端技術、環境技術への啓蒙活動)
先端技術、あるいは環境技術について、官、業、個人に亘る事例をとりあげ、問題点とあるべき姿を論じ、自然と人間、人間と他の生物との共生の問題にまで及ぶ広範な執筆活動を続けている。 その基本的姿勢は、省エネルギーであり、シンプルな技術を探索することであり、91年から「ウエッジ」を通して、市民にその内容をわかりやすく訴えている。 取材は海外にまで及び、その著作「ノキアは携帯電話で世界一になり得たか」に見られるごとく、広い視野に立った実績重視の論調には、その基本的姿勢が貫かれており、その啓蒙活動は、「市民による、市民のための、市民の技術」を標榜する「簡明技術推進機構」と行動理念、思想を共有する極めて有意義な活動であると言えよう。
(株)カタログハウス殿(一般消費者への販売活動理念)
1976年、株式会社「日本ヘルスメーカー」としてスタートしたこの会社は、1982年に創刊した「通販生活」で、「カタログハウス」として広く世に知られている。 この会社の特徴は、「できるだけ、地球と人間に迷惑を掛けない商品を販売して行く」、「できるだけ、永持ちする(いつでも修理できる)商品を販売して行く」、「できるだけ、『商品を永く使用してもらう』ために、使用しなくなった商品は第二次所有者にバトンタッチしていただく」……など、9条から成る「商品憲法」を以って、その販売活動の理念としていることである。「売りっぱなし」、「故障したら買い換えましょう」の販売方法の横行する中、「商品憲法」に謳う販売活動理念を、システム的に実践する姿勢は、将に21世紀の模範的販売方法の開拓の先駆者として高く評価されよう。
第2回PORT賞授賞式(2000年12月22日)
第1回PORT賞受賞者(1998年12月)
低品位石炭に農・林産業廃棄物を加えて高圧圧縮して造るバイオコールは石炭、練炭、豆炭等と比較し着火・燃焼性に優れ、さらに脱硫材の配合によってSO2の発生を前3者のそれに対し約20分の1に抑制した。石炭消費量が最も多い中国においてはすでに年産1万トンの試験工場が建設され、来年度は年産30万トンの量産工場が計画されている。
古来よ
りもつ土の機能に着目して、土を摂氏200度以下の廃熱温度下で固体化する、水熱固化技術によってソイルセラ
ミックスは誕生した。いわば土製のタ
イルである。優れた吸・排湿、断熱、蓄熱性等によって、空調機・除湿機・加湿機・空気清浄機等による住環境の確保に代わって建物、住居への適用が進められている。更に建材(賢材)の一つとし
て、アンコールワットの遺跡修復に用いられている。